恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
『きらくん』
どこかで、呼ばれてる気がした。
絶対、あそこにいる。
理由はわからないけど、そんな気がした。
公園が近付くと、愛依の名前を呼んだ。
「愛依!……愛依!!」
着いた…………
息を切らしながら、公園を見渡すと…………
っ!!………いた。
滑り台の下でうずくまっている愛依を見つけた。
急いで近寄り、愛依の腕を掴み、荒々しく抱きしめた。
ごめん………余裕ねぇ………
「き、ら……くん……」
「愛依……」
涙声で俺の名前を呼んだ愛依。
顔を見ると、瞳は濡れていた。
「ど、うして……ここに……?」
「健一から……連絡があったんだ。
愛依がいなくなったって」
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