恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「お前は……またそんな無理なことを……」
お医者さんはその男の人にむけ、呆れたような口ぶりで言った。
「無理じゃねぇよ……
それに……本気だ」
お医者さんと男の人は、睨み合うような、威嚇し合うような感じでしばらくの間目を合わせていた。
な、何この……雰囲気……
それに……この二人は……知り合い……?
「女癖の悪いお前には、止めてほしいな………」
「チッ……」
お医者さんが言うと男の人が舌打ちをした。
こっ怖っ………!
「とりあえず、しばらくの間入院してもらう。
その間に身元がわからなかったら……また考える」
「おい、俺が面倒みるっつってんだろ」
お医者さんの言葉が気に喰わなかったのか、男の人が口を挟んだ。
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