恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「先に相談もなしに、勝手なことしてんのはそっちだろ!?!?」
どんどん雰囲気が悪くなる。
赤さんは心配そうに二人を見つめていた。
こうなったのはわたしのせいだ……
「鬼翠のためなら、俺は何だってする。
重荷になるものは切り捨てる」
ガンッ!!
いきなり大きな音が鳴ったと思ったら、煌くんが壁を殴ったみたいだ。
壁に穴が空いている。
かと思ったら、いきなり腕を引かれ、煌くんの胸にダイブした。
「重荷なんかじゃねぇ………切り捨てること……出来るわけ……ねぇ……」
苦しそうに言う煌くんに、きつく抱きしめられた。
煌くんは……優しい………
わたしのために傷ついてる。
それだけで安心した。
わたしは煌くんを抱きしめ返した。
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