恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「煌くん……大丈夫……ありがとう……」
そう言って煌くんの身体を腕で押して引き離した。
「愛依……?」
不思議そうにわたしを見つめる彼に、わたしは微笑んだ。
そして、緑色の頭をした男の人に近付き、頭を下げた。
きっとこの人にも大切な物があるんだ。
わたしが煌くんを大切だと思うのと同じで。
その大切なものを守るために………
「勝手なことしてごめんなさい!
でも、お願いです!どうか……記憶が戻るまでは、煌くんと一緒にいさせて下さい」
「…………」
無言のままの緑さん。
「やっぱり…ダメ……ですか?」
わたしは顔あげ、緑さんを見た。
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