恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「煌くん、ダメ!
この人にも、キスイは、大切なものだったんでしょ!?
わたしに煌くんが大切なのと一緒で………譲れないものだったんでしょ!?」
それなのに………
「なんで殴るの!?」
「俺は……お前のこと……考えて……」
うなだれたように呟いた煌くん。
そっか………わたしのため………
「ありがとう。
だけど……簡単に人を殴らないで……そんな煌くん…もう、知らない!」
そう言って、わたしは緑さんに手を差し出した。
「大丈夫ですか?」
「うん……ありがとう……」
「救急箱ってある?」
「それならそこに」
煌くんに聞いたつもりだったけど、答えたのは赤さんだった。
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