恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「あ、あの……今の人は……?」
聞きづらくて、吃りながらに質問した。
「ああ、彼は、獅子戸煌-シシドキラ-。
彼が君を助けてくれた、通行人。で、知り合いの俺のところに煌が君を運んで来たってわけ」
えっ!?
「あの人が助けてくれたんですか?」
「そうだよ」
と、ニッコリ笑うお医者さん。
なんか……どっちかって言うと、お医者さんより保健室の先生みたい。
って、そんなことはどうでもいい!!
「あの、お礼言わなきゃ!」
わたしは彼を追い掛けようとベッドから出て、足を踏み出した。
っ………!!
「うきゃ!!」
「おっと……危なかったー」
わたしは、足が縺れて倒れそうになったところを、お医者さんに助けてもらった。
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