恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「えっちょ、………」
煌くん!?
「煌くん、煌くん」
「なんだよ」
なんだよって………この体勢のこと、もしかして気がついてないの?
わたしは、頭を掴まえて引っ張られ、下を向きながら歩く。
頭を上げたくても、上げれない。
わたしの頭掴めるなんて、どんだけ手が大きいの?
しかも、力強いし………
「頭と首、痛い」
「ああ?」
不機嫌そうな声で言うと、煌くんは足を止めた。
「わりぃ」
やっと手を離してくれた。
わたしはふぅと息を吐いて煌くんを見た。
「ごめんなさい………」
「何がだよ」
眉間にしわを寄せ、ジロリとこっちを見る煌くん。
「だって………」
お金持ってなくて、服買って貰ったし………