恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
それから、わたし達は家に帰って二人でハンバーグを作って食べた。
煌くんは、本当に料理ができるみたい。
手際がいいもん。
わたしは、記憶はないけどこういうのは覚えているらしい。
掃除の仕方とか、料理の作り方とか、生きていくための基礎的なものは、わかる。
わからないのは、自分のことだけ。
そこだけの記憶が、ぽっかり穴が空いたみたいに抜けている。
なんかな………変な感じだ。
自分のことだけがわからないなんて………
早く記憶が戻ればいいな………
そしたら、きっと誰にも迷惑がかかからない。
だけど…………
煌くんに会えなくなる………
それだけは………嫌だな…………
お風呂に入ってベッドに寝転んだわたしは、そんなことを考えながら、眠りについた。