恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
徐々に大きくなる声。
「煌様ー!!」
「きゃー!今日もすてきー!」
「あの女だれ!?」
煌くんに対する声援と、わたしを非難する声が聞こえてきた。
教室が並ぶところの前を通るとさらにすごい。
わたしは思わず煌くんの腕をつかんだ。
「きゃー!あんた、煌様から離れなさいよ!」
「そうよ!」
しまった………
さらに怒られるようなことをしてしまった。
「チッ………」
煌くんも怒ってる。
わたしは煌くんの腕を離した。
「愛依?」
煌くんは、足を止めてわたしの方を見た。
「ごめんなさい……」
腕を掴んだことに対して謝ると、ため息が聞こえてきた。