最愛レプリカ

千晶に


『ちぃ』とサヨナラしたあの日、私達はまたオジさんのラーメンを食べに行った。

下らない事で大笑いしたり、お互いのチャーシューを取り合ったりした。

そしてオジさんは「ガキが二人増えたみたいだ。」と笑う。


家に帰ると母がまた小言を言ってきたけれど、私は逃げない。

「今日は大事な日だったんだ。」

すぐには理解して貰えないだろうけど、ゆっくり話していこう。

私は私だって。
私もあなたの娘だって。



数日後、私は伸ばしていた髪を短くした。
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