最愛レプリカ

その時、日本史の中原先生の後に若い男性が着いて来た。

この授業も実習生が居るのか。

その実習生は私達に向き合い、眩しく笑って簡単な挨拶をした。

その笑顔を見て、愕然としたのはクラス中で私だけだろう。

あの実習生だった。
さっき私をからかったあの男。


嫌だ。
この人は嫌だ。


そんな私をよそに、実習生はさも爽やかに自己紹介をする。


「津村康介(ツムラコウスケ)です。よろしく!」
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