最愛レプリカ
「深夜徘徊の補導。」
「は?」
深夜ってほどの時間じゃないじゃん。
私はあからさまに眉をしかめて津村を見た。
すると津村はプッと吹き出して笑った。
「冗談。高校生がゲーセンに入り浸るなんて普通だろ。」
そうだけど。
でも、私にとってそれは普通じゃなくて。
私にとっては、そんな普通のことすら勇気のいること。
街のネオンはゆらゆらと煌めいて、まるで生き物みたいにも見える。
頬に風が当たると、その触れた感覚がなんだか心地良かった。