最愛レプリカ
「もっと綺麗に食えよ。」
そう言って津村がからかうみたいに私を見た。
「いいじゃねえか。旨そうに食ってくれるのが一番嬉しいんだから。」
オジさんの言葉に甘え、私はさらにスープも飲んだ。辛すぎなくて美味しい。
オジさんがニコニコと笑う。津村も美味しそうにラーメンを啜る。
津村に対するモヤモヤは気付けば忘れていた。
それどころか、偽りではない素の自分になってしまっている。
私が何も言わなくても、津村は何も聞かない。
津村は楽だ。
そう思った。