最愛レプリカ

スープの一滴まで飲み干して満たされた私。
隣を見ると津村はとっくに食べ終えている。


「ごちそうさま♪」


ご機嫌な私を見て津村が柔らかく笑う。


「いい顔するなぁ。」


その津村の愛しそうにとも見える瞳に、私は少し戸惑う。


「さっきまでの強張った顔とは大違いだ。」


確かに、私の中の張り詰めた糸も、今は緩んでいるように感じる。

なんだか胸にほっこりと温かいものがある。
< 40 / 113 >

この作品をシェア

pagetop