最愛レプリカ
ここは津村が奢ってくれた。オジさんはスープまで綺麗に飲み干された器を丁寧に片してゆく。
私はオジさんに、そして津村に向かって呟いた。
「…また来たいな。」
オジさんは嬉しそうに頷く。津村もさらに眩しく笑う。
「いつでも来てくれよ。」
「また連れて来てやるよ!」
なんだか心が穏やかだ。
もう逃げ場所を探さなくてもいいんだ。
ここが私の居場所なのかもしれない。
私はオジさんに手を振り、津村と共に車に戻った。