最愛レプリカ
温かい湯舟に浸かりながら今日の出来事を思い出していた。
津村に対するモヤモヤ。
胸のザワつきと逃避。
見下ろした夜景。
癒されたラーメン。
なぜ津村の前では素で居られたんだろう。
やっぱりゲームセンターに入り浸る姿を見られて開き直ったんだろうな。
自分を作らないで良いという気楽さと安堵感を覚えた私。
今までずっと姉を真似て、姉のように生きていた。
それが私の生き方だから。
だけど私の中で何かが変わり始めている。
私は湯舟のお湯を両手で掬い上げ、バシャッと顔を洗った。
水が滴る音が浴室に響いた。