最愛レプリカ

翌朝は一人で登校し、教室への廊下を歩いていた。


「ちぃちゃん!おはよう!」


朝から陽気な声に呼び止められて振り向く私。

何が楽しいのか満面の笑みを向ける津村が居た。


「おはようございます。津村先生。」


私はまた落ち着いたトーンと完璧な角度のお辞儀で挨拶を返す。

顔を上げると、ポカンと間抜けに口を開けた津村と目が合った。

私は構わず教室へと向かう。


「ちょっと待ってよ!ちぃちゃーん!」


追い掛けて来る津村に平然と答える私。
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