最愛レプリカ
二人の『ちぃ』
「……おしまい。」
長く通話しすぎたせいで携帯電話が熱を持ち、耳が痛くなった。
視界が滲んで見えるのは、きっと眠いからだろう。
津村は黙っていた。
言葉を選んでいるのか、何も言わないつもりなのか。
もともと何か言って欲しい訳じゃなかったから、別に促すつもりはない。
話したことで落ち着きを取り戻した私は、電話を切ろうと切り出した。
「つまらない話だったね。今日はもう切るね。」
『ちぃちゃん。』
津村が言葉を発した。