最愛レプリカ

零れる涙を拭いながら、津村の言葉を待つ。

だって、分かんないよ。
なんで付き合おうなんて言えるのか。


『好きだよ。俺はちぃちゃんが好きなんだ。』


津村は確かにそう言った。しっかりとした口調で、私を好きだと言ったんだ。

鼓動が高鳴る。
動揺して言葉がでない。


『もう一度ちゃんと考えて?じゃあ、オヤスミ。』


そう言って津村は一方的に電話を切ってしまった。

私は携帯電話を耳に当てたまま、プープーと言う耳障りな音をただ聴いていた。
< 74 / 113 >

この作品をシェア

pagetop