最愛レプリカ
翌日は何だか照れ臭いような気まずいような、複雑な気持ちで登校した。
津村と顔を合わせるのは極力避けたい。
周囲の様子を窺いながら、隠れるようにして教室に入った。
今日は日本史の授業はない。つまり津村が授業でここに来ることはない。
上手くいけば会わないですむ。
午前中を平和に過ごし、昼食の後にトイレに行こうと教室を出る。
廊下を突き当たり、右に曲がろうとしたその時。
津村の声がした。
誰かと話しているようだ。