最愛レプリカ
無我夢中で廊下を走り抜ける私。
きっと酷く滑稽な姿だったろう。
お姉ちゃん、なんだか私、馬鹿みたいだよね。
そうして泣きながら学校を飛び出し、駅の前で立ち止まった。息が切れる。
初めて授業をサボってしまったことに後ろめたさを感じたけれど、戻る気にはなれなかった。
何度も何度も瞼に浮かぶ津村と田崎さんの顔。
無理して演じている私を見て嘲笑っていたのだろうか?
吐き気がする。
そのまま駅のベンチに座り込み、汚い感情を吐き出すようにため息をついた。