最愛レプリカ
醜くて痛い
何時間くらい経ったろう?もしかしたらほんの数十分くらいだったのかもしれない。
周りの様子を一切遮断して俯いていたので、時間の感覚が全くなかった。
そう言えば学校に鞄を置いたままだ。
一度戻って取ってくるか、朋美に頼むしかない。
そう思って立ち上がろうとした時、ぐっと肩を掴まれた。
「何やってるんだ、この不良娘が。」
よく聞き慣れた優しい低い声が耳を刺激する。
あぁ、ダメだ。
折角落ち着いていたのに、また溢れてしまう。