最愛レプリカ
担任が教室に入って来る。初老の小柄な数学教師。
「おはよう。え〜、出席を取る前に、教育実習生を紹介する。」
へぇ、うちのクラスにも実習生付くんだ……。
「田崎百合(タサキユリ)さんだ。このクラスのHRと数学の授業を担当してもらう。」
田崎と言うその実習生は、清楚な感じで綺麗な人。男子達が騒いでいる。
ここの卒業生なのかな。
なんか、見覚えのある顔だ。
「田崎です。よろしくお願いします。」
彼女が軽く頭を下げると、指通りの良さそうなセミロングの髪がサラリと垂れた。