クールな王子は蜜の味
パチン!!

・・・

オレは頭に来て、

夏果の顔を思いっきり引っ叩いていた。

・・・

夏果は驚き、

頬を押さえながら、

オレの怯えた目つきで見つめた。


「それが演技の理由?」


「それだけじゃないわ。

私の唯一の居場所を、あの子は取った」


「・・・くだらない」

オレは溜息をついた。


「何がくだらないのよ?

私には重要な事だった」


「くだらないよ。

夏果はオレにとって大事な幼なじみだった。

今もこれからもずっと。

だからここは夏果の居場所じゃないか?」


「・・・」


「でも、幼なじみより、

もっと大事な、好きな女を、

自分の家に連れ込んで、何が悪い?

夏果がそんな小さなやつだなんて思わなかった。

もう、オレの前に二度と現れるな。

寧々を侮辱することも苛める事も、

絶対許さない・・・もし、

そんな事をしたら、ただおかねえから」
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