クールな王子は蜜の味
「先輩、話しってなんですか?」

私は俯いたまま、

智也に問いかける。

・・・

智也は、そんな私をまっすぐに見つめ、

話しはじめた。


「最初は、謝りたい」

「・・・」


「あんなことを言って、ゴメン」

「・・・」


「芝居でも、あんな言葉はよくないよな?」

「・・しば・・い?」

・・・

俯いていた私は、

バット顔を持ち上げ、智也を見つめる。

・・・

智也は力なく笑って、

でもすぐにまじめな顔に戻って、

もう一度頭を下げた。

「本当にゴメン」

「・・・芝居って、どういう事、ですか?」

・・・

智也はすべてを打ち明けた。

私はそれを聞き、

体の力が抜けた。

すべて芝居だったこと。

幼なじみだったアイツが自分を好きで、

私を傷つけたことが許せなかった事。
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