クールな王子は蜜の味
私を確認した智也は、

手招きをする。

・・・

この中に入れと?

お姉様方の視線が、もんのすごく、

痛いんですけど・・・

・・・

入るのを渋っていると・・・

「おい、チワワ。早く来い」

と、怒り口調で言われ、

泣く泣く中へと入っていった。

・・・

『チワワ』

その言葉がよっぽど可笑しかったのか、

周りの皆様が、どっと笑う。

そのおかげか、お姉様方の目つきも、

幾分優しくなった。

・・・

「チワワは弁当?学食?」

「エ?お弁当ですけど、ほら」

持っていた弁当箱を見せた。

「・・そうか、ちょっと待ってろ」

「・・え?」

・・・

こんな所に私を一人置き去りにして、

智也はどこかにいなくなった。

こ、怖すぎ・・・
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