アカイ花†Vermilion Flower
お前は俺が好きだろう?
久しぶりに見る娘の姿に、母は驚いた顔をした。
ゴクリッ、唾を飲み込んだ母は、いつもように明るく私に声をかけた。
「まあ、連絡もせずに帰って来ないと
思ったら、どうしたの、その髪?
それに、そんなにもやつれて
アッちゃんと喧嘩でもしたの?」
「ううん、してないよ
やつれたのは事故のせいだよ
きっと」
「そうね
でも、髪、式の前に切って
よかったの?
自分で切ったの?
・・・・・・
それにしても連絡ぐらいしなさい
そうだ、リコ、あなた
アッちゃんの仕事の邪魔
してないでしょうねぇ?
あなたはバイトもしないで
お気楽なんだから・・・」
母の元気な声が有り難かったのは最初だけ、今はもうウンザリしてる。
母には悪いけど・・・