アカイ花†Vermilion Flower
最後の涙
可愛らしいウェディングドレスは、私が思った以上に今の私にピッタリで、浅緋の傍で大人ぶる必要が無い事を私に教えてくれた。
カーンカーンカーン♪
六月・・・晴れ渡る日に、私達を祝福する鐘の音は鳴り響く。
こうして、私は浅緋と永久の愛を誓った。
新妻は思ったよりも忙しく、私は家事に追われる日々を送る。
母のように、家事の要領がまだ掴めない私はダラダラと用事が長引いて片付かない。
「あっ、もう、こんな時間
夕飯の買い物に行かなくちゃ」
自転車に乗って買い物に出かけた途中、私の行く手を阻むように並んで歩く数人の女学生の姿に、ふとある事を思いついた。
そう言えば昨夜、今日は部活がないからいつもよりも早く帰れると浅緋が話してた。
久しぶりに外食なんて、どうだろう?
そうだ、今から浅緋が勤めている私の母校に行けば、ちょうどいいタイミングかも。