アカイ花†Vermilion Flower

あの中で浅緋は、あの頃のように大きな声で笑って過ごしてるはず。


『ミウラ、何してる

 お前は、こっちだ・・・』


「フフフッ」


学校を見つめながら笑っている私の事を可笑しな顔で見てる生徒達がいる。

あっ、ここは私の母校ではあるけど浅緋の職場で、職場に用も無いのに妻がいるだなんて絶対に駄目だよね。


しかも、浅緋に黙って勝手に来て。

そうだ、やっぱり浅緋に連絡した方がいいね。

メールを送るくらいなら、今は下校時間だもの、大丈夫だよね。


私は貴方にメールを送ろうとした、その時・・・

校門の前、呼びかける名前と声に聞き覚えがある私は見つめた。


「レイ

 何、ダラダラ歩いてんだ!」


俯いて携帯電話を操作しながら歩いていた長い黒髪が綺麗な生徒は、校門の前で立ち止まり胸を押さえてフーッと大きく息をついた。

頬を見る見る赤く染め、彼女は振り返る。
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