アカイ花†Vermilion Flower

結局、お箸をテーブルに置いた芙美子は立ち上がり、冷蔵庫から缶ビールを二つ取り出して私の前に一つ置いた。


「ほらっ、御飯より飲むよ」

「あっ、うん、ありがとう」


最近の私は、ビールばっかり飲んでるような気がする。


グイッとビールを飲んで喉を潤わせた芙美子は、また話を始めるの。


「わざわざ、本気でもない面倒な
 不倫に時間を割いてる暇が
 あったら

 未婚者のいい男のアドレスの
 一つでもゲットしなさいよ

 いい用に使われてやることないよ

 既婚者なんて履いて捨てるほど
 この世には居るんだからそんなのに
 引っ掛かって自分の価値を下げる
 ことない

 もっといい男探しなさい!って
 アンタの場合、最初が良すぎた
 もんね

 もう、ムリかもね・・・」


芙美子は何度も頷いてみせる。
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