アカイ花†Vermilion Flower
「だよね
払ってる間にいつかは
自分の物になってる訳だしね」
「はい・・・」
「ねっ?」
そんな風に優しく微笑みかけられると私はどうしたらいいか分からなくなって、いずるさんから視線を逸らしてしまった。
私が見つめる先には、公園がある。
「あそこ、座らない?」
「えっ?」
「少し、話そう」
「はっ、はい・・・」
いずるさんの雰囲気は何て言えばいいか分からないけど、ものすごく穏やかになったような気がする。
ううん、元々優しくて穏やかな人だったけど・・・荒んだところが無くなった感じかなぁ。
そう、その瞳はしっかりと生きる事を見据えている。
彼は、ちゃんと現実に生きている。