アカイ花†Vermilion Flower
「・・・そうだね」
「アサヒと違っていずるさんは独身だし
きっと生徒が放っておきませんね」
「いやっ、そんな事は無いよ
アサヒは、相変わらず
モテモテだよ
気になるかい?
アサヒのこと?」
いずるさんの瞳が、あまりにじーっと私の瞳を捕らえて放してくれないから、私はとっさにその場に立ちあがった。
「そんなぁ
気になりませんよ
彼は、もう過去の男ですから!」
「そう?」
「はい」
私は、いずるさんにはっきりと返事して微笑んでみせた。
貴方は、優しく微笑み返してくれた。
その時、強風が吹き荒れ、私の髪を靡かせた。
貴方の瞳が、私の黒髪を目で追う。