アカイ花†Vermilion Flower

「真っ青な顔して、かわいそうに
 
 ごめん、思い出したくない過去
 を思い出させてしまったね

 俺は、君に・・・」

「いずるさん、レイと貴方が
 付き合っていた頃に、一度
 話したことがあったでしょう

 私達の事は過去の事で、もう終わった事
 だからもう、何も言わなくていい」

「じゃあ、違う話をするよ

 聞いてくれるかな

 君に聞いてほしい」


私は、もう一度、いずるさんの隣に座った。


「君と別れた後の俺は、やっぱり自分を
 変える事などできずに今度は君の大切
 な妹である、レイを傷つけた

 だけど、レイとの別れで俺はもう
 死んだ姉に囚われる事はなくなった

 姉さんを好きだと思う気持ちは確かだ
 けれど、それは母を思う愛と同じ

 姉が俺に無償の愛を与えてくれたのは
 俺達が血で繋がっているから・・・

 血の繋がらない、君やレイにそれを
 望んだ私は大切なものを失くした」

「大切なもの・・・」

「俺の中に芽生えた、違う愛の形

 真実の愛・・・」
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