アカイ花†Vermilion Flower
「真実の愛?」
「そう、与えられる愛ではなく
与える愛
俺は、今後、誰かに愛を与える事
ができるだろうか?
君に言われた、あの言葉のとおり
やっぱり俺は、いつまでも亡くし
た愛に囚われ続けていくのか・・
そこから、逃れられないのか・・」
『貴方はいつまでもそうして
亡くした愛に囚われ続けていればいい
私は、もう無理・・・』
辛く、苦しい表情を浮かべるいずるさんの事を、私は両腕で力いっぱい抱きしめていた。
「大丈夫よ、貴方は、大丈夫
ごめんなさい
私の言葉のせいで
貴方をこんなにも苦しめて
本当に、ごめんなさい」
「どうか、謝らないで
俺はもう、愛を二度と失いたくない」
いずるさん
貴方が、いつか誰かを心から愛せる日がくる事を私はずっと見守っている。