アカイ花†Vermilion Flower
恋ではなく仕事に夢中
ドアの前に立ち、私は鍵をかけて表札を外した。
浅緋が書いた紙、その文字を鞄の中に詰めて、私は歩き出す。
雨が降っても、雷が鳴っても、雪が降っても、明日には晴れ渡る空が見渡せるはず。断言はできないけど・・・
私は、相変わらず恋ではなく仕事に夢中になっていた。
ホテルのフロント業務についた私は接客をしている。
「いらっしゃいませ・・・・・・
恐れ入りますが、こちらにお名前と
ご住所のご記入をお願い致します
・・・・・・・号室にてお部屋を
ご用意致しています
それでは、ご案内させて頂きます」
ふう・・・業務が一息ついた頃、私の腕を掴む人がいた。
「ちょっと、来い」
「えっ、ここでは、ちょっと・・・」
彼に手を引かれ、辿り着いた場所はホテルの地下。そこは、駐車場。