アカイ花†Vermilion Flower
私は前を向いて、淡々と言葉を続けた。
別に奥さんと別れて欲しいだなんてこれっぽっちも思ってない。
ただ、彼との仲を清算したいだけ、もうこんな馬鹿げたことはやめようと思っただけ。
「無理ですよね?
だったら私達の関係は
これまでとさせて頂きます」
私の腕を掴む男性の力は、凄まじい。
大の大人が、取り乱して見苦しいぐらい。
ここは、日の射さない駐車場。
地面のコンクリートに空調の風が当たるせいか足元から冷えてゆく。
震える体・・・
「結婚するって話は本当なのか
家を買ったらしいじゃないか?」
「貴方には関係ありません」