アカイ花†Vermilion Flower
お見合い逃走・繋ぐ手
それなのに話はどんどん進み、勝手に決められたお見合い場所は、私が働くホテル。
ロビーでお見合い相手と待ち合わせて、そのままレストランへだなんて。
「はあーーー」
ほぼ無理やりに、晴れ着を着せられた私は窮屈で堪んない。
「何、ため息なんてついてるの
せっかく綺麗なのに台無しよ
ほらっ、笑いなさい」
「笑えないから」
「まあ・・・
お見合いだなんてドキドキするわね
お相手はどんな人かしら?」
もう、ママってば楽しんでるし・・・
いつも以上に暢気な母を見て、私はまた、ため息をついてしまった。
もうこうなったら、お見合いなんてサッサと片付けてやる。