アカイ花†Vermilion Flower
一緒に暮らさない?
ここは、祖父の邸宅・・・
立派な門を構え、和・洋の高級感を融合した家。
その庭に植えられた樹木・花の手入れは、もちろん専属の庭師が担当している。
家の中は、家政婦や使用人によって綺麗に片付けられている。
いつもは静かな家の中、今朝は祖父の声が響く。
「リコ、お前ってやつは・・・」
そう、お見合いの最中、男性と一緒に逃走した事を、祖父に呼び出されてうるさくお説教されている、私。
そんな私を見兼ねて母が祖父に発した言葉は、また余計なことで・・・
「お父さん、いいじゃないの
リコも今は、付き合っている人が
いるんですから・・・」
悪気のない母は、紅茶を一口飲んだ。
「ちょっ、ママ!」
母は、私の言葉など気にも留めずに、私の事を自分の事のように夢中になって話している。