アカイ花†Vermilion Flower
「いずるさんはいい青年ですよ
アッちゃんの話だと音楽に美術
たぐい稀な才能が、彼にはある
みたいだし、画家の方では一目
置かれているとか・・・
それにしても、うちの子達は
芸術家肌の先生が好きね♪」
葉巻の煙草を銜えながら器用に話す、祖父。
「特に、リコ
お前は、先生が本当に好きだな
また、生徒に取られるんじゃないのか?」
ちょっと・・・
別に取られてないんですけど!
「アッちゃんは取られたんじゃないよ
レイと彼が付き合ったのは私と別れて
からの話だってこと、おじいちゃんも
知ってるでしょう
それにレイは、彼の教え子じゃない」
「同じ学校内に居れば、どの学生も
教えた教えないに問わず
全て同じだろう」
「そんな・・・」
ゴッホン・・・大きく咳払いをひとつした祖父は話を続けた。
「ムキにならんでもよろしい
お前が幸せなら私は構わない
濱野君も今回の件を問題視などしていない
縁がなかったと割り切ってくれている
だか、男という生き物は、どうせなら
若い方を好む
女学園の先生ともなれば・・・」