アカイ花†Vermilion Flower

私達は寄り添う体から互いの体温を感じながら、ほっと安心して自分の世界を堪能してる。

こんな風に、少し大人な時間を過ごせるようになるだなんて、思いもしなかった。

昔の私では、想像できない。


あの頃の私なら絶対に一人の時間を満喫している男性の隣で、ブ-ブー文句を言っていただろう。


どこかに連れて行ってほしいだとか

いつになったら終わるのだとか・・・


端から見れば今の私達は、ラブラブ度下降気味のカップルみたいに見えているだろう。


本を閉じる音がする。


「そうだ

 昨日、アサヒには話したよ
 
 俺達の結婚のこと」

「えっ、うそっ、話しちゃったの
 
 どうしよう、私、まだ
 ママにもレイにも話してないよ」
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