アカイ花†Vermilion Flower

「リコ、今すぐ
 アッちゃんの家に来なさい!

 ヤダじゃ無いの

 もう、アッちゃんからも、リコに
 来るように言って」


貴方は、肩手でたこ焼きを上手に焼きながら、母に渡された受話器をもう一方の手で持って話すの。


「もしもし、俺だ
 
 リコ、聞こえるか?」


浅緋は、とっても優しい声で里湖ちゃんに言うの。


「幸せになりなさい

 わかったな?」


ほっと、安堵の表情を浮かべた後、唇を緩めて微笑む貴方を見て、私はほんの少し里湖ちゃんに妬きもちを妬いちゃうのだった。

電話を切った後、母が席を外した隙に私は浅緋を、じろーっと睨み付けた。


「何だ?」

「相変わらず、リコちゃんには
 優しいんだね~」

「心配すんな

 レイ、お前は

 この俺が幸せにしてやる
 
 ほらっ、今日中に
 食い終わらないぞ」
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