アカイ花†Vermilion Flower

全てが浅緋の好きなもので溢れたこの場所に、私が存在できることを私は心から嬉しいと思った。


床に敷かれた布団に、向き合って横たわる二人。


「ねえ、私も
 アサヒ、そう呼んでいい?」

「ああ、お前の好きにしろよ」

「アサヒ、私のこと好き?」

「ああ」

「アサヒ・・・」


私のこと愛してる?

そう問いかけようとした言葉を、私は飲み込んだ。


「リコ?」

「ううん、何でもない・・・」

「ふぅー」


貴方は深い息を吐くと、天井を見上げた。


「どうしたの、アサヒ
 さっきから何考えてるの
 仕事のこと?」

「いやっ

 俺達の事を知ったら 
 泣く奴がいる」


この時の浅緋は、遠い目をしていた。
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