アカイ花†Vermilion Flower
二人きりはParty
家族以外には二人の事は秘密だったから、付き合って間もない頃はデートをするのも我が家がほとんどで、私の部屋で映画を見たり、ゲームをしたり、話をしたりして過ごした。
出かける時は、母も一緒にワイワイと楽しむ感じ。
それは、最近別れた男子高の彼と同じような付き合い方だった。
だから、誰にも怪しまれる事なんて無かったけど、そういう付き合いに私はうんざりしていた。
大好きな浅緋と腕を組んで街を歩いたり、こんな小さなテレビでは無く大きなスクリーンで映画が観たい、二人きりの時間がほしい。
だけど、私はそんな想いを口に出して言えずにいた。
寂しがり屋な母も喜んでいるし、もしかしたら二人きりは、浅緋にとっては迷惑な事かもしれない。
そんなある日、浅緋の車で、久しぶりにレイも揃ってのショッピングに出かけた帰り道、急用ができた母と別れた私達は、久しぶりにあの公園の前を通った。
車から降りた三人の瞳には、アカイ花が映る。
アカイ花・・・Vermilion Flower