アカイ花†Vermilion Flower
「何よ、ムカつく」
私の頬を打った芙美子は泣いてる。
「何するのよ」
私は泣いている芙美子の頬を、目を真っ赤にして叩き返した。
「ずっと、先生
ハチヤさんに憧れてた
ずうっと好きだったのに
何で、アンタなのよ」
「私だって、ずっとアサヒが
好きだった」
「何よ、私なんてもっと上の高校を
狙えたのに、親の反対押し切って
ここに進学したんだから
少しでも
ハチヤさんに近づきたくて・・・
アンタなんていっつも彼の周りを
ウロウロして、いい事尽くし
だったくせに!」
「そんな風に見えてたんだ
幼馴染なんていいことなんてゼロだよ
近くにいるだけで、毎日苦しいこと
ばっかり・・・」
私達は互いの頬を叩き合い、喧嘩をしながらどんなに浅緋の事が好きか、ありったけの浅緋への想いを口にした。