アカイ花†Vermilion Flower
「ミウラさん、ちょっといい?」
レストランの掃除をしていた私を呼ぶのは、このレストランのシェフ。
そう彼が、今の彼氏。
「今夜、遅くなっても行くよ」
「はい、わかりました」
新入社員の歓迎会と波打った飲み会で、隣の席に座った事がきっかけでその後も話すようになり、二人の関係はあまりにも簡単に始まった。
その頃の私は、寂しかった気持ちとこの先の不安で頭の中はいっぱいで、何となく彼を受け入れてしまい、その関係はそのまま今も続いている。
私は、新しい生活の中で、仕事も恋愛?も手に入れた。
だけど、夢中になったのは仕事だった。
確かに学生と社会人を同時に始めた頃はしんどいと思う気持ちの方が勝っていたけど、知らない事を知る事ができる環境はものすごく有り難くて、私は一生懸命に学び、そしてホテル実務科を卒業して今は接客業の仕事をしている。