「神」は私の全てだった……
「生徒会長…。あたし、先に帰るね?
 また明日!」

百合はそう言って
さっさと荷物を持って生徒会室を
出ていった。

「「また明日ね~♪」」

百合の背中に手を振りながら、
そう言うあたしと葵。





~***~***~***~***~***~

~葵sind~


百合が居なくなって数分の沈黙。

「葵、顔が引き釣ってた…。」

「愛想笑いなんていらない
 思うんだけど?」

そう、さっきの笑顔は偽物。

「いいじゃん。どーせ
 捨てるんでしょ?」

沢田はあたしと未南に視線だけを
寄越しながら言ってくる。

(どーなんだろ?)

そんなのあたしが決めること
じゃない。
ここにいる未南が決めることだ。

「流されやすい。理想の音と
 1音低い。喉の乾きが他の人と
 比べて並速い。……声が濁ってる。
 だから使えないただの“ガラクタ“。
 ……いらない。」

未南が”ガラクタ”と言うと言うことは
その子の”死”を意味する。

と言っても殺すとかそんなんじゃなく、
あたし達の間では空気と
なるだけだけど…。

これが結構辛いもの。


未南が認めた人は今までで
8人しかいない。


その内2人があたしと沢田。
ただ完全に信頼してくれてないのが
悲しいけど、しょうがない。


だって、未南は大きな闇傷を
おっているから。

それを癒せるのはいったい誰なのか
さえわからない。



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