女の子なのに女の子が好きになってしまった。
―――――――
授業終了のチャイムが
鳴り響く。
眠い呪文の時間はおしまい。
『あーきりん。今日遊んでかないかーい?』
「あ,久々お茶したいねえ!」

あ!そうだ!

『あれれ。あーきりん?』

帰ろうと教室から出ようとする 美冬を止めた。

「冬…ちゃん?」
『は…はい。』
「今からお茶しに行くんだけど,良かったら来ない?」
『え…あの…』

美冬は,うつむいたまま
黙りこんでしまった。

どうしよう…
嫌だったのかな…?

後ろの方で
心がぽかーんと口を開けて
不思議そうに見ている。

『あの…ご,ごめんなさい!ちょっと…』

「あ,ごめんね。今度行こっか?また明日ね冬ちゃん。」
『は,はい…失礼します…』

そう言うとお辞儀して
ぱたぱたと急ぎ足で帰ってしまった。

『あれはねー。あきりん!仲良くなるのは時間がかかるねぇ。』
「私が嫌なのかな…」

『ええ!秋りん!ネガティブなんて珍しいよ!駄目駄目!さ!アップルティー飲んでポジティブポジティブ♪』

ごーごー♪
とハイテンションの心に
無理矢理押されて
いつもの喫茶店に向かった。
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