TABOO Ⅲ~呼べない関係~
ノックの音に、出張中の彼にメールを打っていた手を止めた。
携帯をしまって「はい」と返事をすると、図書当番の生徒がドアから顔を覗かせる。
「アンケート集計終わりました」
「ありがとう。そこに置いておいて下さい」
書類を整理する振りをしていると、少ししてドアが閉まる音が聞こえた。
ホッと息をついて顔を上げると、
「やっとこっち見た」
窓に寄りかかる意地悪な瞳に、言葉を無くした。