嫌い嫌い! 大ッ嫌い! 変わらぬ思い
何か問題でも有るのだろうか?

 会社ではホント、敦子自身は別に思い詰めた様子も無くごくごくフツーに過ごしているから、ちょっと気になって来た。

「お姉さんはフツーだけどね」

 私の説明を聞くなり、武司君は視線を逸らして物思いに浸り始めた。

「姉さん、外では何事も無いように振舞っている…」

「ねえ、どうかしたの?」

「…」

 視線を逸らしたまま返事をしない。

「武司君」

「…」

「武司君!」

 強く呼びかけると、武司君はやっと私に反応して来た。

 質問を続ける武司君。

「姉から何か、相談事とかは持ちかけられていないですか?」

「どんな事で?」

「プライベートの事で」

「プライベートの事で? 別に…、無いけど?」

「無い…ですか」

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