嫌い嫌い! 大ッ嫌い! 変わらぬ思い
「見せて」

「見せてって、何を?」

「業者の人から、田代が受け取った書類。家主の私に見せなきゃダメでしょう?」

「ああ、そうだったね」

 俺は書類の入った封筒を西谷さんに手渡した。

 西谷さんは封筒の中から折りたたまれた書類を出して広げた。

 ジックリと目を通す西谷さん。

「これだけ?」

「そうだよ」

 書類はお客様控えの作業完了書だけなのだ。

「請求書はどうしたのよ? アレが一番重要なんだよ」

「請求書は一ヶ月に、会社から俺宛に郵送して来る予定だよ」

「書類が届いたら、ウチへ持って来るか、智美に渡してくれたらイイんだけど」

「どうするんだよ?」

「決まってるでしょー? 代金支払わなくちゃならないじゃなーい」

「お金は俺が出すって言っただろう?」


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